株主・投資家の皆様へ

株主の皆様方には、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申しあげます。
ここに、第57期(2025年3月期)の営業の概況をご報告申しあげます。
よろしくご高覧賜りますようお願い申しあげます。

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善、各種政策の効果等もあり、景気は緩やかな回復基調が続きました。一方、地政学リスクや米国の通商政策等による経済への影響、物価上昇等、先行きは不透明な状況が続いております。
設備工事業界においては、公共投資は堅調に推移し、民間設備投資は持ち直しの動きが見られましたが、物価上昇や海外景気の動向により先行きが不透明な状況等があり、受注・価格競争は厳しい状況で推移しております。
このような状況下で、当社グループはお客様のニーズに合った設備の提案を積極的に行い、受注の確保・拡大に努めてまいりました。設備工事事業におきまして、当社グループの主要顧客である化学業界において次世代技術向けの電子材(新素材)生産プラント建設工事、半導体素材製造プラント建設工事等の半導体関連の設備工事、設備増強工事、定期修繕工事等を中心とした受注がありました。前期を下回る受注高とはなったものの、事業部門間の連携が大型案件の受注に寄与したこと等から、総じて堅調に推移しました。タイ国の表面処理事業は、HDD向け表面処理は依然として不調でありました。また、自動車部品向けの表面処理は総じて横ばいの状況のなか、EV向けの需要は堅調であり、表面処理事業全体では前期を上回りました。売上高は、懸念されていた工事資材の納期長期化や物資不足等の影響は想定より少なく、大型案件をはじめとした工事の進捗は順調に推移しましたが、好調であった前期を若干下回る結果となりました。
利益面につきましては、工事資材費、労務費等の上昇は続いておりますが、施工効率の改善、原価管理の徹底等を継続している効果もあり、また過去に発生した工事損失の反省から、リスク管理の徹底が浸透し利益の低下を予防したこと等から、売上総利益率は大きく改善しました。ESGへの取組等の諸施策による販売費及び一般管理費の増加があったものの、売上総利益率の改善効果は大きく、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに前期を大きく上回る結果となりました。
今後の見通しにつきましては、物価上昇や金融政策の変化に伴う景気減速懸念に加え、地政学リスクや米国の通商政策が及ぼす国内外経済への影響等、依然として不透明な状況が想定されます。
このような状況下、当社は、2024年11月6日に公表いたしました中期経営計画「TRY2030」において、2030年3月期までを「更なる飛躍への変革の時期」と定めており、目標の実現のため次の主要施策に取り組んでまいります。
①国内事業の進化
②海外事業の再生
③新規事業の探索
④組織・業務改革
⑤ESG対応・財務基盤の強化
株主の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。

2025年6月